2015年9月28日月曜日

ルイ13世 5代目セラーマスター来日

大阪出張にて、レミーコアントローさんのご依頼でコニャックのルイ13世セラーマスター バティスト・ロワゾー氏来日パーティでの揮毫でした。
ルイ13世の伝統的でありつつ新しいことも取り入れるコンセプトと私の書の活動の
コンセプトが重なり。今回このような貴重な機会をいただきました。
心から感謝申し上げます。

今回はルイ13世の作品を3点あらたに書き下ろし、またパフォーマンスの内容も全てがルイ13世のコンセプトに因んだものでした。

 
あらためてルイ13世に魅了された1日でした。
簡単に手を出せるお酒ではありません…が、素晴らしいお酒と素晴らしいご縁に感謝です。

 

 

【命の水】
ルイ13世に1200種類もの原酒を使い、40~100年もの熟成をしていることから、何種類もの墨を使っています。赤みのあるもの、青みのあるもの、濃さ、時間もそれぞれ異なります。香りを頼りにブレンドされるように、この墨も乾くと色が変わるので、それを想定しながらブレンドし、濃さを決めていくのです。ルイ13世と同じように見れば見るほど奥が深くいろいろなものが見えてまいります。
【ルイ13世】
水筒がモデルになっているバカラのボトルは11人の職人さんが作っています。こちらにもいろいろな種類の墨を使い、深みを出しています。



 

【one century in a bottle】
ルイ13世は「一世紀が詰まったボトル」と言われています。この円をボトルに見立て、ルイ13世に詰まっているテーマをイメージして制作しました。いくつかのキーワードがあります。「命の水」と言われている原酒、コニャック地方の「奇跡の土地」、「唯一無二」の存在、これはルイ13世を語る上で欠かせません。そしてあと4つは私自身がルイ13世から感じたことを書いています。まず、万葉集から引用しまして、
「相見ては千歳去ぬる否をかも われや然思ふ 君待ちてかに」
君に千年も会っていない気がする、早く会いたいという恋の詩ですが、1世紀ものときを心から待ちわびる気持ちを比喩しました。
次に「汲古探新」。伝統を守り、新しいことを恐れず受け入れるというルイ13世の精神と通ずる言葉です。...
そして「松樹千年翠」。松は、桜や紅葉のように華やかな変わり映えはしませんが、美しいみどりを保つために変わらないようで日々変化しています。これもまた140年の伝統があるルイ13世にも通ずるものがあります。
最後に一筆で円を描く「円相」。円の形は欠けることのない円満、広がり、繋がりの象徴で、ゆかりの縁も表しています。その円相の解釈は人それぞれであり、その人の置かれる環境や精神状態によっても異なると言われています。ルイ13世もまた、その時により香りも味わいも感じ方は様々。本日のルイ13世はどのようにお感じになるでしょうか。この書から、自由にルイ13世と重ね合わせていただけたらと思います。

【松樹千年の翠】
禅の言葉です。松は、桜や紅葉のように華やかな変わり映えはしませんが、美しいみどりを保つために変わらないようで日々変化しています。それは140年の伝統があるルイ13世にも通ずるものがあり、松にゆりのロゴマークを重ねて表現しました。

 

 

0 件のコメント:

コメントを投稿